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経済成長への期待と憂鬱な現実
―― 「奇跡の世界後」の経済に備えよ

ルチル・シャルマ モルガン・スタンレー  チーフ・グローバルストラテジスト

The Boom Was a Blip: Getting Used to Slow Growth

Ruchir Sharma モルガン・スタンレー投資マネジメント チーフ・グローバルストラテジスト、新興市場担当統括者。著書にThe Rise and Fall of Nations: Forces of Change in the Post-Crisis Worldがある。

2017年6月号掲載論文

人口減少、レバレッジの解消、脱グローバル化が成長を阻む大きな障害となっている以上、各国の政策決定者たちは経済的成功の定義を見直し、力強い経済成長の指標を1―2%引き下げるべきだろう。この基準でみれば、中国の場合、成長率4%で比較的力強い成長とみなせるし、アメリカのような先進国の場合、1・5%を上回る成長率なら健全な状態にあると考えるべきだ。問題は、こうした経済的成功の新しい定義を理解するか、受け入れている政治指導者がほとんどいないことだ。中国は6%の経済成長を維持しようと試み、アメリカの政治指導者も4―6%の経済成長を目指すと発言している。こうしたレトリックは期待と現実の間のギャップを作り出してしまう。世界のいかなる地域も2008年前のような急速な経済成長を遂げることはあり得ないし、そう期待すべきでもない。われわれは「奇跡の世界後」に備えるべきタイミングにある。

  • 新しい現実
  • 人口減少と金融危機
  • グローバル化の衰退
  • 期待を引き下げよ
  • ポピュリスト路線は何を引き起こすか
  • 変化する経済地図
  • ポピュリストの政治手法と国際的混乱
  • 低成長というニューノーマル

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