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揺るがされるアメリカの同盟ネットワーク
―― オバマの後退路線からトランプのオフショアバランシングへ

コリ・シェイク フーバー研究所 リサーチフェロー

Will Washington abandon the order? ―― The false logic of retreat

Kori Schake アメリカの外交研究者で、スタンフォード大学フーバー研究所のリサーチフェロー。ペンタゴン、国家安全保障会議、国務省勤務を経て、現職。2008年の米大統領選挙ではジョン・マケイン候補(共和党の)の政策顧問を務めた。最近の著書にState of Disrepair: Fixing the Culture and Practices of the State Department (Hoover Institution 2012)がある。

2017年1月号掲載論文

オバマは外交戦略の前提として、世界におけるアメリカの役割をより穏やかなものにすることを考えていた。(アメリカの後退路線によって)自己防衛努力を迫られる同盟国は国防体制を強化し、より自己規制の効いた国際秩序を作りだせると考えていた。一方、トランプはオバマ以上に全面的にオフショアバランシング、つまり、同盟相手へのバーデンシフティングを進めるのではないかと考えられている。トランプは、アメリカのNATOへのコミットメントを低下させ、より取引を重視した同盟関係へと仕切り直し、一方で、東ヨーロッパとシリアについてはロシアの好きにさせると示唆している。先行きを不安に感じているアメリカの同盟諸国に対して、新大統領は同盟諸国を安心させる措置をとっていくべきだが、そのプロセスでリベラルな国際秩序を脅かす必要はない。このバランスをトランプが発見できるかどうかは、今後を見守るしかない。

  • オバマ政権はなぜ後退戦略をとったか
  • オバマの後退路線の問題
  • オフショアバランシングと同盟関係
  • トランプの戦略

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