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TPP離脱ではなく、留保して再検証を
―― アジアの世紀にアメリカがエンゲージするには

ダニエル・アイケンソン ケイトー研究所・貿易政策研究センター所長

Trump's Promise to Withdraw From the Agreement Is a Terrible Mistake

Daniel Ikenson ケイトー研究所・貿易政策研究センター所長。専門は国際貿易と投資。

2017年1月号掲載論文

アメリカは21世紀も国際秩序に非常に大きな影響力を持ち続けるだろう。ただし、それには「アメリカが内向きにならなければ」という条件がつく。TPPからの離脱は、そうした致命的な方向転換のシンボルとみなされてしまう。新大統領は、TPPに背を向けるのではなく、態度を保留して、将来、戦略地政学的な必要性が明らかになったときに批准を再考できるようにしておくべきだろう。世界経済の中心が欧米からアジアに移るなかで、TPPがなければ、不透明で差別的なルールがアジアの標準にされ、既存の秩序が覆され、アメリカの通商利益が傷つけられることになる。アメリカがこの自由貿易合意から離脱すれば、TPP交渉に参加しなかった国だけでなく、合意に参加した国も北京との関係強化に乗り出さざるを得なくなるだろう。

  • アジアの世紀とTPPの価値
  • TPPのポテンシャル
  • 合意解体のコスト

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