Focal Points

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2025.6.24 Tue

<6月号プレビュー>
トランプと大国間競争とドルの命運
―― 地政学とドル秩序の未来

「ドル覇権の崩壊」という見通しは、他の主要通貨がドルに取って代わる機会を生かさなければ、実現しそうにない。他の準備通貨の脆弱性、経済・金融の混乱時における安全な金融資産への大きな需要があることを考えれば、ドル優位の時代の終わりを宣言するのは時期尚早だろう。(プラサド)

インフレの急進を警戒する内外の投資家が、いずれ、米国債を投げ売りするかもしれない。トランプが再選されれば、アメリカの金融市場とドルへの信頼が低下する恐れもある。しかし、逆説的ながらも、混乱はドルにとって好都合なのだ。(プラサード)

ワシントンが経済制裁を乱用すれば、ドルに代わる通貨を模索する各国の動機が強化される。アメリカはリベラルな国際秩序の公共財を強化する形で経済外交を展開しなければならない。主要な同盟国や国際社会の多くを離反させれば、アメリカはドル支配体制を維持できなくなる。(ノーロフ)

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