Focal Points

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2022.12.15 Thu

ロシア対外問題行動の源泉
―― 辞任した外交官が振り返るロシア外交の欠陥

私がウクライナ侵攻で思い知ったことの一つは、それまでの20年間に目撃してきたことに大いに関係していた。ゆっくりとだが、政府が自らのプロパガンダにとらわれ、歪められてしまっていた。ロシアの外交官は長年、ワシントンに対決路線をとり、嘘とつじつまの合わない言葉を並べて、ロシアの対外的干渉を正当化するように強いられてきた。私たちは仰々しいレトリックを使って、モスクワに命じられたことをそのまま繰り返すように教育されていた。(ボンダレフ)

この論文の原形は、ケナンが1946年にモスクワから打電した「モスクワからの長文の電報」である。電文で示されたケナンの対ソ認識に感銘したジェームズ・フォレスタル海軍長官の推薦で、ケナンは1947年1月に外交問題評議会の研究会でソビエト分析についての報告を行う。講演内容を興味深く感じた「フォーリン・アフェアーズ」誌の編集長ハミルトン・フィッシュ・アームストロングが、「政府の一役人にすぎないから」としり込みするケナンを説得し、「X」という名で「フォーリン・アフェアーズ」に発表させたのがこの論文である。掲載された論文はわずか17ページだったが、以後半世紀にわたってアメリカの対外政策を方向付け、「封じ込め」という語は政治用語のひとつにさえなった。(ケナン)

ユーラシアニズムとは、「西欧とは異なるロシアのユニークなアイデンティティを確立させようとする試みのことで、ユーラシア中枢に位置するロシアを起点に南や東へと目を向け、この巨大大陸の東方正教会系の民族と、イスラム人口を地政学的観点から一つにまとめあげる」ことを構想している。具体的には、「国内の経済政策面では左派よりで、対外政策面でアラブ諸国を助け、東方世界に傾斜し、旧ソビエト地域の統合を強化する政策である」。(クローバー)

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