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2021.10.29. Fri

<11月号プレビュー>戦狼外交の正体、中国が望む世界、外交的自制をかなぐり捨てた中国

世界金融危機以降、中国モデルの正しさが立証されたという思い込みから、北京は自己主張の強い外交戦略をとり始めた。2012年に「中国は世界の舞台の中心に近づいている」とみなす習近平が中国共産党総書記に就任すると、変化は一気に加速した。外交官たちは、外務省での「自己批判」の会だけでなく、党に対する忠誠と命令に従う意志が試される「確認合宿」に参加しなければならなかった。こうして現在の北京は、「世界は北京の方針に適応しなければならない」と決めてかかっているかのような言動をみせるようになった。(マーティン)

世界第2位の経済大国である中国が、ライバルが規定した条件で世界秩序に参加するはずはない。特に、2008年のグローバル金融危機以降、中国指導部は、自国の権威主義的統治システムは、自由主義国家に至るプロセスにおける一つの形態ではなく、それ自体が目的地であると明言するようになった。明らかに国際秩序を作り替えることを望んでいる。現実には、もっともらしい新世界秩序を作る中国の能力を脅かしているのは、その権威主義体質に他ならない。(ミッター)

北京は事実上すべての外交領域で前例のない外交攻勢に出ている。香港(の民主派)を締め上げ、南シナ海の緊張を高める行動をとり、オーストラリアに対する圧力路線をとっているだけではない。インドとの国境紛争で軍事力を行使し、欧米のリベラルな民主主義への批判をさらに強めている。そこに、かつてのような慎重さはない。北京はいまや自国がどう受け止められるか、そのイメージのことをかつてのようには気にしていない。(キャンベル、ラップ=フーパー)

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