Focal Points

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2018.8.28 Tue

<9月号プレビュー>
外国人労働者政策と日本の信頼性
―― 労働力確保と移民国家の間

現行の外国人労働者政策を続ければ、日本は湾岸諸国のような路線を歩むことになる。湾岸諸国では、スキルのレベルを問わず、外国人労働者は現地社会から隔絶され、低スキルの労働者には、労働争議が起きたり、権利が乱用されたりした場合でも法的保護へのアクセスが閉ざされている。そのような道を歩めば、世界のリベラルな民主国家の一つとしての日本の名声が脅かされることになる。(ティアン、チャング)

未熟練の外国人労働者が大量に流入した場合、労働力の供給拡大は賃金を押し下げ、失業率、特に貧しくて教育水準が低い受入国の労働者の失業率を上昇させると考えられることが多い。しかし、エコノミストたちは、それとは非常に異なる現象が起きることを理解している。労働市場を大きく開放すると、労働力の供給が拡大するだけでなく、投下資本利益率を上昇させ、経済成長は加速し、労働需要が高まり、移民だけでなく受入国の住民の生活水準も改善する。この現象はさまざまな研究で立証されている。(クレメンズ、サンドファー)

技術革新への投資などで生産性の向上をはかりつつ、高齢者の労働を奨励しても生産性に悪影響を与える。高齢者がうまく利用できない洗練された技術を導入してもその生産性を向上させることはできないからだ。むしろ政策立案者たちは、このようなイニシアティブとともに、人口動態の変化と生産性のダイナミクスとの関連を断ち切ることを目指した政策を併用すべきだ。(カンパネッラ)

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