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2016.11.22 Tue

先進民主国家体制の危機
―― なぜ日米欧は危機と問題に対応できなくなったか

先進民主世界を悲観主義が覆い尽くしている。ヨーロッパでは、ユーロ圏だけでなく、欧州連合(EU)そのものが解体するのではないかという声も聞かれる。日本の経済も停滞したままだ。だが、もっとも危機的な状況にあるのはアメリカだろう。停滞する先進国が本当に必要としているのは、競争力を高めるための構造改革、そして、将来の成長のための投資に他ならない。問題は政治領域にある。政治が、効率的な改革と投資を阻んでいる。その結果、われわれが直面しているのが民主主義体制の危機だ。(ザカリア)

資本主義と民主主義の緊張と妥協が相互に作用することで、これまで政治と経済のバランスが形作られてきた。民主体制のなかで、労働保護法や金融規制の導入、社会保障制度の拡大が実現することで、市場の猛威は緩和されてきた。・・・これが戦後における成長のストーリーだった。しかし「いまや政府は戦後の税金を前提とする国家から、債務を前提とする国家へと変貌している」。・・・政府債務の増大によって、国際資本が、各国の市民の望みを潰してでも、自分たちの意向を各国政府に強要する影響力をもつようになった・・・(ブリス)

グローバル化が「有権者が政府に対して望むもの」と「政府が提供できるもの」の間のギャップをますます広げ、政府は人々の要望に応えられなくなっている。・・・先進民主諸国が統治危機に直面する一方で、・・・中国のような非自由主義国家の政府は、一元化された中央の政策決定、メディアに対する検閲、国家管理型の経済を通じて、社会の掌握度を高めている。必要とされているのは、民主主義、資本主義、グローバル化の相互作用が作り出している大きな緊張をいかに解決するかという設問に対する21世紀型の力強い答えを示すことだ。(クプチャン)

2016年11月号

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