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2016.05.17 Tue
迷走するヨーロッパ
ーーイギリスのEU離脱?難民危機、政治的混乱
「イスラム教徒たちは、トランプの立場がヨーロッパ全域での反イスラム感情を煽り立てることになりはしないかと警戒していた。実際、トランプの立場は、反移民の立場をとる右派、反EU政党の立場を勢いづけている。とはいえ、ヨーロッパでもアメリカでも格差問題が根底にあり、これがグローバル化に取り残されたと感じている右派と左派を勢いづかせている」(レディカー)
多くの国にとって、ユーロ危機は、(緊縮財政を求める)ドイツの影響力を野放しにするとどうなるかを認識する機会でもあった。「欧州連合は少しずつ、『非民主主義的なドイツに支配されるヨーロッパ』へと変化している」という批判も出てきている・・・。(ウッズ)
移民の社会的統合を目指したヨーロッパの社会政策が、より分裂した社会を作り出し、帰属とアイデンティティに関する視野の狭いビジョンを台頭させてしまった。皮肉にも、こうした欧州の社会政策が、不満をジハード主義に転化させる空間の形成に手を貸してしまっている。・・・・(マリク)
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苦悩するヨーロッパ
2016年5月号 スピーカー ペテル・バラージュ 中央ヨーロッパ大学 ディレクター、ハイジ・クレボ=レディカー 米外交問題評議会シニアフェロー、アナンド・メノン キングス・カレッジ・ロンドン 教授(ヨーロッパ政治)、プレサイダー ローラ・ゼレンコ ブルームバーグ エグゼクティブエディター(マーケット)
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ヨーロッパの危機と分裂をどうとらえるか
―― ドイツの覇権、移民、分離独立の流れ2016年1月号 ニゲアー・ウッズ オックスフォード大学教授 (グローバル経済ガバナンス)
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ヨーロッパの政治的混乱とイスラム主義
―― 代替策なきヨーロッパに苦悶する若者たち2016年1月号 ケナン・マリク インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙 コラムニスト