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経済成長で債務を克服できる?
―― AI経済ブームの幻想

ケネス・S・ロゴフ ハーバード大学教授

The AI Growth Paradox: Why High Productivity Could Still Lead to a Crash

Kenneth S. Rogoff ハーバード大学教授(経済学)。米外交問題評議会(CFR)シニアフェロー。著書に『ドル覇権が終わるとき インサイダーが見た国際金融「激動の70年」』(邦訳・日経BP)がある。

2026年10月号掲載論文

アメリカの債務拡大の軌道は持続不可能であり、債務危機に直面すれば、世界経済に衝撃が走り、ドルの地位も脅かされる。だが、一部には、目覚ましいAIの技術的進化がもたらす生産性の向上と経済成長によって、アメリカの債務問題はいずれ問題ではなくなるとみる人もいる。だが、多くのエコノミストは、AIがもたらす今後10年における(生産性向上による)トレンドチェンジは1―2%程度とみているし、しかも、人口の高齢化、グローバル化の後退に派生するコスト負担によって恩恵は部分的に相殺されるだろう。仮にAIが新たに大きな歳入をもたらしても、国防費の増額、環境災害対策など、歳出を求める圧力は大きい。実際、歳入をはるかに上回る歳出を続けることを求めてきた政治圧力を軽減することは、AIにもできないだろう。

  • AI経済ブーム?
  • 金利とインフレ
  • AIと債務
  • 政治圧力と債務危機

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