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イギリスは統一を維持できるのか
―― 構成地域ナショナリズムと連合王国

フィンタン・オトゥール プリンストン大学教授

Disunited Kingdom: Will Nationalism Break Britain?

Fintan O’Toole プリンストン大学教授(アイルランド文学)。著書にWe Don’t Know Ourselves: A Personal History of Modern Irelandがある。

2023年5月号掲載論文

ウェールズ、スコットランド、北アイルランドだけではない。イングランドの有権者も、これまで、イギリスのアイデンティティに埋もれていたイングランド・ナショナリズムを主張するようになった。一方で、イングランドの政治家と有権者が推進したブレグジットは、北アイルランドとスコットランドでのイギリスに対する不満を増幅した。こうして、スコットランドでは、住民の過半数(52%)が独立を支持し、北アイルランドでも、イギリスを離脱してアイルランドに加わりたいという人が劇的に増えている。重層的な課題が表面化するなか、イギリスは国際秩序における位置づけだけでなく、今後も一体性をもつ国とみなされ続けるかどうかもはっきりしなくなっている。かつて世界を形作った国家は、もはや自国の形態さえ保つことができないのかもしれない。

  • 連合国家の迷走
  • イギリスを支える基盤
  • 落日の帝国
  • ブレグジットと構成地域
  • ブレグジット
  • 改革か死か

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