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気候変動と海面レベルの上昇
―― 温暖化リスクを伝えるもう一つの指標

アリス・C・ヒル 米外交問題評議会 シニアフェロー(エネルギー・環境担当)
レイフ・ポマランス 元国務副次官補(環境・開発担当)

The Case for Capping Sea-Level Rise: A More Tangible Way to Measure the Harm From Climate Change

Alice C. Hill 米外交問題評議会シニアフェロー(エネルギー・環境担当)。著書にThe Fight for Climate After COVID-19がある。
Rafe Pomerance 元国務副次官補(環境・開発担当)、NGOリシンク・エナジー・フロリダ顧問
邦訳分は英文からの抜粋

2023年5月号掲載論文

海面上昇は、海岸線の侵食、、下水の逆流、沿岸コミュニティの水没と集団移住など、気候変動が引き起こす問題を気温上昇以上に具体的に想起させる。気温上昇を1・5度に抑えることの重要性をより理解しやすくするために、各国は気温だけでなく、海面上昇の上限を設定すべきではないか。IPCCの推定では、気温上昇が1・5度以内にとどまれば、2100年までに世界の海面が上昇する中間値は約36―76センチに収まるとされるが、温室効果ガスの排出量がほとんど減少しなければ、アメリカでは2100年までに海面が106―213センチ上昇する危険がある。すでに、国連安全保障理事会は2023年2月に、海面上昇に焦点を絞った会合を開催している。

  • 温暖化に対する危機意識を高めるには
  • 沈みゆく都市
  • 海面上昇の上限設定を

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