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帝国の衰退と歴史の教訓
―― 米中ロの衰退と混乱に備えよ

ロバート・D・カプラン 米外交政策研究所 地政学担当チェアー

The Downside of Imperial Collapse: When Empires or Great Powers Fall, Chaos and War Rise

Robert Kaplan アメリカのジャーナリストで国際問題の分析者。フィラデルフィアにある外交政策研究所のチェアー(地政学)に任命された。The Coming Anarchy: Shattering the Dreams of the Post Cold Warの著者で、近刊にThe Tragic Mind: Fear, Fate, and the Burden of Powerがある。フォーリン・アフェアーズでは、ユーラシアに迫り来るアナキー―ユーラシアのカオスと中ロの対外強硬路線(2016年3月号)などを発表している。

2022年11月号掲載論文

米中ロという大国は、一般に考えられる以上に脆弱な存在なのかもしれない。政策破綻を回避するために必要な「悪いシナリオに備える姿勢」、つまり、悲劇を回避するために未来を悲観的に考える能力が北京、モスクワ、ワシントンでは不十分などころか、どこにもみあたらない。実際、帝国や大国はこうして自滅的な戦争を決断し、それによって歴史を左右する大きな節目が作り出されてきた。帝国や大国が突然終わりの時を迎えると、混乱と不安定化が続く。ロシアがこの運命を避けるのは、おそらくもう手遅れだろう。中国はその運命を切り抜けられるかもしれないが、容易ではないはずだ。アメリカも、先行きを悲観して現実的なアプローチに転換する時期が遅れれば、状況はさらに悪化していく。

  • 帝国崩壊の現代的意味合い
  • 大国の衰退
  • 近未来シナリオ
  • ビザンティンの教訓に学べるか

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