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ロシア経済の行方
―― 戦争、経済制裁、インフレ

クリス・ミラー タフツ大学フレッチャースクール 准教授(国際史)

Is Russia’s Economy on the Brink?: Moscow’s Struggle to Sustain Its War in Ukraine

Chris Miller タフツ大学フレッチャースクール 准教授(国際史)、専門はロシアの歴史、政治、経済、外交政策、中国の歴史と経済、米外交史など。アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員。Chip War: The Fight for the World's Most Critical Technologyの著者。

2022年10月号掲載論文

戦争と経済制裁のコストは、当初のインパクトが、欧米が期待したほど、そしてロシアが懸念したほど劇的でなかったとしても、今後、大きくなっていく一方だろう。今のところ、ロシアの指導者たちは、半年以上にわたって欧米の制裁を乗り切ったことに満足している。しかし、今後ロシアの産業は、欧米から輸入パーツを調達できない状況にいかに適応していくかに苦しむことになる。原油価格が上昇しない限り、モスクワは社会(財政)支出を続ける一方で、財政赤字や高インフレを受け入れるという、厳しいトレードオフに直面することになるはずだ。モスクワの戦争遂行を停止させるような形でロシア経済が崩壊することはないとしても、急激なリセッションや生活レベルの低下が続き、今後も短期的には経済がリバウンドするとは期待できないだろう。

  • 制裁は効いているのか
  • インフレ対策
  • 資源の流れ
  • 非エネルギー産業の苦悶
  • 高まるコスト

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