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ロシアとの連帯という幻想
―― 中国の間違った選択

オッド・アルネ・ウェスタッド イェール大学教授(歴史・国際関係)

The Next Sino-Russian Split?: Beijing Will Ultimately Come to Regret Its Support of Moscow

Odd Arne Westad ノルウェー出身の歴史家で、専門は冷戦史、東アジアの歴史。オスロ大学などを経て、現在はイェール大学教授(歴史・国際関係)。フォーリン・アフェアーズでは、「アイデンティティと中国の政治・外交―― 共産党の自画像と北京のアジェンダ」(2021年7月号)、「中国対外行動の源泉―― 米中冷戦と米ソ対立の教訓」(2019年9月号)、「『新冷戦』では現状を説明できない―― 多極化と大国間競争の時代」(2018年5月号)などを発表している。

2022年6月号掲載論文

ウクライナでの戦争を欧米と中ロという二つのブロックを対立させる新冷戦の最初の一幕とみなす専門家もいる。かつての冷戦のように、今回も経済体制の違いだけでなく、イデオロギー的な違いもあるとみなし、新冷戦は「民主主義と権威主義、市場経済と国家主導型経済」の闘いと規定している。だが(かつての共産主義ブロックとは違って)現在の中ロは政治体制も経済制度も大きく違っており、一枚岩とはみなせない。豊かなエネルギーや鉱物資源がどれほど魅力的でも、近隣諸国との永遠の争いに明け暮れるモスクワの弱体政権との連帯が、中国の利益になるとは思えない。

  • 「歴史的な複雑さ」
  • ロシアを支持する理由
  • 新旧の中ロ同盟
  • 中ロの本質的違い

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