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クーデター後のミャンマー
―― 国家破綻から新生国家への道

タンミンウー   歴史家

Myanmar’s Coming Revolution What Will Emerge From Collapse?

Thant Myint-U 歴史家。著書にThe Hidden History of Burma: Race, Capitalism and the Crisis of Democracy in the 21st Centuryや『ビルマ・ハイウェイ: 中国とインドをつなぐ十字路』(邦訳・白水社)がある。

2021年8月号掲載論文

こう着状態が長期化するにつれて、ミャンマー経済は崩壊へ向かい、貧困化する人が急増している。医療システムはすでに破綻し、武力衝突が激化するなか、大規模な難民が中国、インド、タイなどの近隣諸国へ流出することになるだろう。破綻国家への道をたどるミャンマーの混乱につけ込もうとする勢力が台頭するかもしれない。課題は国家的破綻の期間を短くし、弱者を守り、新しい国家を作り、より自由・公平で豊かな社会の建設を始めることだ。今後、平和なミャンマーが出現するとすれば、民族ナショナリズムのストーリーに支配されない、新しい国家アイデンティティが共有され、改革を経た政治経済体制が根付いた場合だけだろう。2月のクーデターだけでは危機を説明できない。現状は数十年にわたって国家破綻プロセスが続き、国家建設に失敗し、あまりに長期にわたってあまりに多くの人にとって社会と経済が不公正だったことによって引き起こされている。

  • 破綻国家への道
  • 植民地と軍事政権
  • 民主化の時代
  • クーデターそして民衆蜂起
  • 破綻国家への道
  • 過去との決別

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