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温暖化で世界は大混乱に
―― ティッピング・ポイントが引き起こす連鎖

マイケル・オッペンハイマー プリンストン大学教授 (地球科学・国際問題)

As the World Burns
Climate Change’s Dangerous Next Phase

Michael Oppenheimer アメリカの地球科学、国際問題の専門家で、プリンストン大学教授(地球科学・国際問題)

2020年11月号掲載論文

近い将来、一生に一度のはずの大災害に、われわれは毎年のように見舞われるようになる。特に、沿岸地域では、2050年までに、かつてなら100年に一度のレベルだった洪水が毎年のイベントになるだろう。専門家は長く(気候変動が急減に悪化し始める)ティッピング・ポイント(決壊点)のことを心配してきたが、これが他の災害との連鎖反応を起こす恐れがある。例えば、グリーンランドと南極の氷床の多くが融解すれば、世界の海面が上昇するだけでなく、北極圏とユーラシア大陸の永久凍土層が融けだし、大量のメタンガスと二酸化炭素が放出されて温暖化のペースは一段と加速する。すでに温室効果ガスの排出削減努力だけでなく、「劇的な変化に人間をいかに適応させていくか」を考えなければならない時期に入っている。向こう30年間に排出量がどう変わろうと、地球の気温が大幅に上昇するのはもはや避けられないからだ。

  • 削減努力と適応努力
  • 複合的危機
  • ティッピング・ポイント
  • 不可知の領域
  • 排出量削減だけでなく、適応への備えを

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