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世界はより平等になりつつある
―― グローバル化が先進国の中間層を傷つけても

ブランコ・ミラノビッチ  ニューヨーク市立大学大学院 ストーンセンター シニアスカラー

The World is Becoming More Equal Even as Globalization Hurts Middle-Class Westerners

Branko Milanovic ニューヨーク市立大学大学院社会経済的不平等に関するストーンセンター シニアスカラー。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの名誉教授。

2020年10月号掲載論文

グローバル化は先進国における国内格差を拡大しつつも、世界レベルでみた(国家間)格差を低下させるという別の重要な作用を伴っていた。こうした世界の平等化は中国市民の収入が大幅に増加したことで促されてきた。つまり、アジアの成長は欧米中間層の衰退の背後で起きていたと言い換えることもできる。このトレンドが続けば、今後10年以内に中国の中間層の多くは欧米の中間層よりも豊かになる。これは、この2世紀で初めて、欧米の中間層が、世界レベルでみた所得のトップ20%に入るグローバルエリートの一部ではなくなることを意味する。そして中国の成長は、世界を平等にするのではなく、むしろ国家間格差を広げる作用をするようになる。一方で、依然として比較的貧しい人口大国・インドの成長が、世界をより平等にする上で重要な役割を果たすようになるはずだ。

  • グローバル化と二つの亀裂
  • 2008年以降の展開
  • 同じ現象、ことなる理由
  • 米中の中間層
  • 今後のシナリオ

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