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日韓対立と中国の立場
―― 東アジア秩序の流動化の始まり?

ボニー・S・グレーサー  戦略国際問題研究所 ディレクター(中国パワープロジェクト) オリアナ・スカイラー・マストロ   アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所 レジデントスカラー

How an Alliance System Withers Washington Is Sleeping Through the Japanese-Korean Dispute. China Isn’t.

Bonnie S. Glaser 戦略国際問題研究所 シニアアドバイザー(アジア担当)、ディレクター(中国パワープロジェクト)。国防総省、国務省のコンサルタントなどを経て現職。 Oriana Skylar Mastro アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所 レジデントスカラー。ジョージタウン大学アシスタント・プロフェサー(安全保障研究)。これまでにフォーリン・アフェアーズで、「中国は北朝鮮を見限っている―― 半島有事における米中協調を」(2018年1月)、「中国的世界ビジョンの盲点―― グローバルな野心の正体」(2019年2月)を発表している。

2019年10月号掲載論文

日韓関係の亀裂を利用しようとする中国の最終目的が何かは明確ではない。韓国にアメリカとの同盟関係を破棄するように公然と促してはいないし、第二次世界大戦期の残虐行為にペナルティを課す対日キャンペーンを展開するようにけしかけてもいない。むしろ、日韓関係の緊張をアメリカのリーダーシップの衰退として認識させようとしている。アジアにおける米同盟システムが十分に傷つくほどに緊張が高まることを望みつつも、日韓関係が完全に破たんしてしまうほど悪化することは望んでいない。とはいえ、北京は、近隣諸国が中国のことを「アメリカよりも信頼できるパートナー」と位置づけることを望んでいる。もちろん、その結果、東アジアの優先順位とパワーが大きく変化すれば、アメリカの地域的立場は形骸化し、アジアの戦後秩序は再編へ向かうことになる。

  • 東アジア秩序の終わりの始まり?
  • 日韓衝突に中国はどう動くか
  • 戦後秩序を守り切れるか

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