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中国ミサイル戦力の脅威
―― INF条約後の米アジア戦略

アンドリュー・S・エリクソン 米海軍大学教授(戦略学)

Good Riddance to the INF Treaty Washington Shouldn’t Tie Its Own Hands in Asia

Andrew S. Erickson 米海軍大学教授(戦略学)。現在は、ハーバード大学フェアバンクセンターの客員スカラー。最近の著書にChinese Anti-Ship Ballistic Missile (ASBM) Development: Drivers, Trajectories, and Strategic Implicationsがある

2019年10月号掲載論文

ヨーロッパの安全保障に配慮して)米ロが締結したINF条約は、これまでもワシントンのアジア戦略に対する拘束を作り出してきた。この間に、中国は世界有数の通常ミサイル戦力を整備し、(米ロ間では)生産が禁止されてきたタイプの地上配備型の射程500―5500キロのクルーズミサイル、弾道ミサイルを十分過ぎるほどに開発している。実際、サイバー空間のディスラプティブテクノロジー(破壊的技術)を別にすれば、中国のミサイル戦力を中心とする軍備増強が、アジアにおけるアメリカのパワーと影響力を形骸化させる最大の要因になるかもしれない。ワシントンはこれに対抗して地上配備型ミサイルを基盤とする抑止をアジアで構築すべきかもしれない。幸い、INF条約の死滅によって、ワシントンは、自国に有利な形へ軍事バランスをリセットするために必要な機会を手にいれている。

  • 中国のミサイル戦力の脅威
  • 間隙を縫った中国
  • IRBMの開発・配備を

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