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さようなら、国際主義のアメリカ
―― トランプ時代の歴史的ルーツ

エリオット・A・コーエン ジョンズ・ホプキンス大学教授(戦略研究)

America’s Long Goodbye: The Real Crisis of the Trump Era

Eliot A. Cohen ジョンズホプキンス大学 ポール・ニッツスクール教授(戦略研究)。最近の著書にThe Big Stick: The Limits of Soft Power and Necessity of Military Forces

2019年4月号掲載論文

トランプの「アメリカ第1主義」は、外交の初心者が犯した間違いではなく、アメリカのリーダーたちが戦後外交の主流概念から距離を置きつつあるという重要な潮流の変化を映し出している。先の大戦期及びその直後に成人した世代は、アメリカが世界をリードしなければ、いかに忌まわしい世界が出現するかを本能的に理解していた。これは、戦争で苦しんだ末に得た教訓だった。しかし、この世代の多くが亡くなり、具体的に秩序を形作った子どもの世代も少なくなってきている。これが、今後の米外交政策にもっとも重要な帰結を与えることは間違いない。トランプが大統領の座を退いても、「アメリカのリーダーシップなき世界」がどのような末路を辿るかを知る人々が支えたかつてのコンセンサスへアメリカが回帰していくことはない。残念ながら、不幸な結果を記憶している人々はもうすぐいなくなる。

  • 本当の危機
  • 大言壮語と奇妙な安定
  • 外交路線継続の理由
  • ニューノーマル
  • 偉大なる世代
  • さようなら戦後秩序

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