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動き出したクルド統一国家への流れ
―― クルドの覚醒と中東の未来

アンリ・J・バーキー リーハイ大学教授(国際関係論)

The Kurdish Awakening: Unity, Betrayal, and the Future of the Middle East

Henri J. Barkey 米リーハイ大学教授(国際関係論)、外交問題評議会非常勤シニアフェロー(中東担当)。専門はトルコ、クルド、中東政治など。

2019年4月号掲載論文

これまでクルド人は中東各国で分かれて暮らし、しかも内部対立を抱えていた。だが、シリア紛争とイスラム国勢力が作り出した混乱と騒乱のなかで国境を越えた連帯を形成したクルド人は、いまやイラク、トルコ、シリアで明確な政治的プレゼンスを確立し、ヨーロッパでも力強いディアスポラ・コミュニティが誕生している。クルド語によるソーシャルメディアと文化作品も登場している。これらの流れが重なり合うことで、汎クルドのアイデンティティが強化されている。もちろん、イラン、トルコというクルディスタン統一への障害は存在する。しかし最近のイベントによって、クルド人国家の建設プロセスはすでに始まっている。統一された、単一の独立したクルディスタンが存在しなくても、クルド人の覚醒が始まっている。・・・

  • クルド人の覚醒
  • 失われた大義
  • イラクのクルド自治政府
  • シリア紛争とクルドの連帯
  • クルド・アイデンティティの興隆
  • クルド国家への道

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