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トランプとファーウェイの「政治学」
――  「合法的逮捕」と「人質外交」の間

シメーヌ・カイトナー カリフォルニア大学教授(国際法)

Trump, Huawei, and the Politics of Extradition: Making Sense of the Meng Case

Chimene Keitner 米カリフォルニア大学法科大学院の国際法教授。

2019年3月号掲載論文

トランプ大統領が、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟がカナダで逮捕されて数日後のインタビューで、貿易に関して中国から合意を引き出す上で有効と考えられるなら、彼女のケースに「介入する」つもりだと語ったことは、「合法的な逮捕」と「人質外交」の線引きを曖昧にする問題発言だった。当初は、逮捕が政治的な動機に基づくものではないとみなす根拠があった。実際、米司法省は企業の不正行為を巡って個々の経営幹部の責任追及を優先的に行う方針をかねて表明していた。トランプの発言は、このような了解に水を差してしまった。こうして、北京は、逮捕は政治的な動機に基づくものだという見方を強め、これを中国の技術的な発展を妨げようとするアメリカの活動の一環とみなしている。

  • 合法的な逮捕か政治的駆け引きか
  • 身柄拘束の政治学
  • 人質外交
  • カナダの苦悩

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