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「新冷戦」では現状を説明できない
―― 多極化と大国間競争の時代

オッド・アルネ・ウェスタッド ハーバード大学教授(米・アジア関係)

Has a New Cold War Really Begun?: Why the Term Should’t Apply to Today’s Great Power Tensions

Odd Arne Westad
ノルウェー出身の歴史家で、専門は冷戦史、東アジアの歴史。オスロ大学などを経て、現在はハーバード大学ケネディスクール教授(米・アジア関係)

2018年5月号掲載論文

今日の国際情勢は概して先が見通せず、課題も多い。しかし、21世紀の緊張した大国間関係を新たな冷戦と呼ぶことで、その本質は明らかになるよりも、むしろわかりにくくなる。冷戦の名残はまだ残されているが、国際政治を形作る要因と行動原理はすでに変化している。今日の国際政治に何らかの流れがあるとすれば、それは多極化だろう。アメリカの影響力は次第に低下し、一方で、中国の影響力が高まっている。ヨーロッパは停滞し、ロシアは、現在の秩序の周辺に追いやられたことを根にもつハゲタカと化している。そこにトレンドがあるとすれば、それは、いまやあらゆる大国が、イデオロギーではなく、自国のアイデンティティーと利益を重視する路線をとっていることだろう。

  • 新冷戦の時代?
  • 米中ロの冷戦解釈
  • イデオロギーの終焉とナショナリズムの台頭

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