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最低賃金の真実
―― 雇用破壊効果も格差是正効果も小さい

アラン・マニング ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 経済学教授

The Truth About the Minimum Wage: Neither Job Killer Nor Cure-All

Alan Manning ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授(経済学)。専門は労働市場、失業、最低賃金、男女間賃金の格差など。

2018年2月号掲載論文

かつて最低賃金の導入に批判的だった国際通貨基金(IMF)と経済協力開発機構(OECD)も、いまやそれが適正なレベルの引き上げなら、最低賃金をうまく考案された労働政策の一部として位置づけるべきだと提言している。だが妥当なレベルをどのように決められるだろうか。穏当なレベルの引き上げなら、最低賃金レベルの就労者の所得は増える。だが、過度に最低賃金を引き上げれば、雇用は少なくなっていく。仮にシングルマザーがまともな生活を送るには20ドルの時給が必要だとされ、それが実現しても、かなりの確率で失業率は上昇する。さらに、最低賃金を引き上げても、その効果は平均的労働者に近づいていくにつれてほとんどなくなっていく。最低賃金の引き上げでは、格差を是正し、世界で政治を覆している経済の流れを覆すことにはならない。

  • 最低賃金を引き上げると何が起きる
  • 理論と現実
  • そして現実には
  • 高すぎる最低賃金とは
  • 最低賃金引き上げ効果の限界

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