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カタルーニャのナショナリズム
―― 分離独立危機の歴史的ルーツ

セバスチャン・バルフォア
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 名誉教授(現代スペイン研究)

A Brief History of Catalan Nationalism: The Roots of the Current Crisis

Sebastian Balfour
イギリスの歴史家で、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 名誉教授。専門は20世紀のスペイン、キューバなど。

2017年12月号掲載論文

スペインで最初に近代化を果たしたのは、他の地域とは言語・文化・アイデンティティが大きく異なるバスクとカタルーニャだった。フランスとは違って、国の力が弱かったスペインでは、中央が全国レベルでの正統性を得ることも、国を束ねるような社会的凝集力が生まれることもなかった。マドリードの支配者たちが権力を行使するには、国内周辺地域のエリートとの同盟に依存せざるを得なかった。だが、この中央と地方のパートナーシップも、米西戦争に敗れ、もっとも重要な植民地をアメリカに奪われた後に崩壊し始めた。20世紀に入ると、フランコの独裁政権はカタルーニャのアイデンティティとかかわってくる制度や組織を解体し、その言語を公的な場から一掃した。この時期にスペインのファシスト政権が民主化運動と抗議デモを弾圧したことが、今もカタルーニャ・ナショナリズムの原点とされている。・・・

  • 地域ナショナリズム
  • 反発のルーツ
  • 民主主義への失望
  • ポピュリズムの台頭
  • 変化のとき

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