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トランプとプーチンのゲーム理論
―― 相互不信と関係の冷却化

アレクサンダー・モティル ラトガース大学教授(政治学)

Trump and Putin’s Game Theory ―― Why Cooperation Won’t Last

Alexander Motyl アメリカの政治学者、作家。現在は米ラトガース大学教授。専門はウクライナ、ロシアの政治。コロンビア大学、ハーバード大学での教職を経て現職。芸術家(画家、詩人、小説家)としても活動している。

2017年4月号掲載論文

トランプもプーチンもかなりのパラノイアで、トランプはおもに国内に、プーチンはおもに外国に敵を見いだしている。こうした人物たちが、本質的な問題をめぐって協力していけるはずはない。2人の性格からみて、トランプもプーチンも、相手が約束を守るはずはないと考えるだろう。客観的にみて合意が双方に恩恵をもたらす場合でさえ、2人は「相手が約束を守り、自分が約束を守らなければ、取り分はさらに多くなる」と考えるかもしれない。ともに相手の過去の行動がどのようなものかを十分に理解していないとしても、2人の相互不信は今後ますます大きくなり、アメリカとロシアの関係は早晩、冷え込んでいく。アメリカの死活的利益がプーチンによって脅かされているのは、そうすることがロシアの利益に合致するからではなく、プーチンが作り上げた体制とイデオロギーが、そうした政策を必要としているからだ。・・・

  • 似た者どうし
  • 衝突は避けられない
  • 大国の狂信的愛国主義者
  • プーチンとトランプ

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