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OPEC減産合意の意味合いを問う
―― なぜ大きな価格上昇が起きないか

ジェフ・コルガン ブラウン大学ワトソン研究所准教授

OPEC’s Empty Agreement

Jeff Colgan ブラウン大学ワトソン研究所准教授(政治学、国際関係論)。専門はエネルギーの政治・経済学。世界銀行、マッキンゼーなどを経て、現職。

2016年11月号掲載論文

2016年9月、石油輸出国機構(OPEC)は、メンバー諸国の原油生産総量を日産74万バレルに制限することに合意したが、各国がどの程度の減産をするかについての詳細は11月30日の会合で決めるとされている。現実には1982年以降、OPECは生産目標に合意しても、その96%を守っていない。仮に詳細な合意が11月に成立し、順守されたとしても、世界の石油生産総量の1%足らずが減少するにすぎない。この程度の減産で原油価格が大幅に上昇するとは考え難く、多少価格が上昇しても、非OPECの産油国が増産を行い、当初の価格上昇は相殺される。しかも、原油価格が1バレル60ドルを超えれば、アメリカのシェール石油産業が再び勢いを取り戻す。これはOPEC、特にサウジがまさに回避したいシナリオだ。では、なぜOPECは減産の大枠合意を発表するという行動に出たのか。・・・

  • 合意は砂上の楼閣
  • 減産を阻む障害
  • 原油市場のダイナミクス
  • 低下したOPECの価値

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