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ユダヤ人国家と民主国家を両立させるには
―― 二極化するイスラエルの政治

ツィピ・リブニ 元イスラエル外相

Anger and Hope ―― A Conversation With Tzipi Livni

Tzipi Livni ツィピ・リブニは、イスラエルでゴルダ・メイア首相以来のパワフルな女性と言われている。右派の著名な一家に生まれたリブニは、情報機関モサドで数年働いた後、政界入りを果たした。以来、司法相や外相を含む八つの閣僚ポストを歴任する一方で、イデオロギー的には大きな変遷を経験している。クネセト(イスラエル国会)に初当選したときはリクード(右派)に帰属していたが、2005年にはアリエル・シャロン首相(当時)が立ち上げた中道政党カディマに参加した。中東和平を支持し、2012年に自らの政党ハトヌア(中道左派)を立ち上げ、2015年の選挙前に労働党と組んで統一会派シオニスト連合を旗揚げしている。現在、リブニは、イスラエルの野党勢力のリーダーの1人とみなされている。

2016年9月号掲載論文

いまや国家アイデンティティーや価値、ユダヤ主義、民主主義をめぐってイスラエルは二分され、ネタニヤフ政権はそのギャップを大きくする行動をとっている。実際、イスラエルの最終目的が「大イスラエル」なら、パレスチナ側にパートナーを見いだす必要はない。・・・一方、私たち(野党)にとって重要なのは、「ユダヤ人の民主国家」を維持することだ。そのためには、古代イスラエルの土地を二つの国に分けるしかない。イスラエルが(パレスチナの)領土を併合したら、民主国家としてのイスラエルと、ユダヤ人国家としてのイスラエルが衝突する。・・・「ユダヤ人的で民主主義のイスラエル」の実現が目的なら、(「大イスラエル」主義者が唱える)土地すべてを領土にすることはできない。二国家共存のなかでのイスラエルが必要だ。・・・二国家解決策が私たちの目標だと公言して、国際社会とパレスチナの信頼を勝ち取らなければならない。(聞き手はジョナサン・テッパーマン、フォーリン・アフェアーズ誌副編集長)。

  • イスラエルの内なる分断線
  • アシュケナージからセファルディーへ
  • 「大イスラエル」か二国家共存か
  • 国際社会とイスラエル

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