DrimaFilm / Shutterstock.com

欧州のシルバー民主主義と年金危機
―― その弊害をいかに緩和するか

エドアルド・カンパネッラ ウニクレディト銀行ユーロ圏エコノミスト

Europe's Generation Gap ―― How Pensioners Are Threatening the Continent's Future

Edoardo Campanella ウニクレディト銀行ユーロ圏エコノミスト。フィナンシャル・タイムズとマッキンゼーが選ぶ2015年のブラッケン・バウアー賞の最終選考作品の著者。本論文は個人の見解である。

2016年9月号掲載論文

ヨーロッパの若年層が「自分たちも親世代と同じように寛大な年金を受けとれる」と考えていたのはそう昔の話ではない。だが、現実にはヨーロッパ全域で、未来の世代に重荷が押しつけられ、高齢者の立場が「政治的に」優遇されている。年金危機対策にしても、結局は、「将来の年金受給者」を対象とする見直しが行われただけで、引退世代の社会保障は温存されている。イギリス、イタリア、スペイン、フランスなどで実施された一連の制度改革は、いずれも現在の年金受給者には何の影響も与えない。しかも実際には、ヨーロッパの退職者の所得の中央値は現役労働者の所得の中央値と等しく、退職者の方が高い国さえある。年金制度の破綻を防ぐには、財政の持続可能性、世代間の連帯、世代間の公正という三つの原則間のバランスをとる必要がある。

  • 高齢者優遇政治
  • 優遇されるシルバー世代
  • 世代間対立の構図
  • 制度崩壊を回避するには

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2016 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top