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ドローンのポテンシャルを生かすには
―― 無限大のポテンシャルVS.規制

グレッチェン・ウェスト ドローンディプロイ社副社長

Drone On
The Sky's limit ―If the FAA will get out of the way

Gretchen West 無人飛行機システム国際協会の上席副会長を経て、現在はドローンによる地図作成と飛行管理ソフトウエアを開発するドローンディプロイ社上席副会長。

2015年6月号 掲載論文

いまやドローンテクノロジーは軍事領域だけでなく、政府や警察などの公的部門でも利用されるようになった。しかし、民間での利用は市民がドローンを公園に持ち込んで趣味で楽しむ程度で、商業利用はほとんど進んでいない。たしかに、ドローンの登場で不動産エージェントは、これまでは考えられなかった角度から物件の写真をとれるようになり、農家は作物の病害虫被害をかつてなく早い段階で発見できるようになった。だが、ドローンの商業利用のポテンシャルは無限大だ。この新しい産業の成長を抑え込むような行き過ぎた規制を導入すべきでない。2025年までに商業ドローンの世界市場規模は17億ドルに達するとみなす予測もある。現実に即した分かりやすいルールを考案すれば、ドローンの商業利用は一気に開花するだろう。

  • 軍事領域からレジャーへ
  • ドローンビジネスの大きなポテンシャル
  • 適切な規制を
  • 各国はどう対処しているか
  • ドローンとプライバシー
  • ドローンの未来

<軍事領域からレジャーへ>

これまで、無人航空機(ドローン)はほぼ排他的に軍事領域で利用されてきた。第一次世界大戦当時は、遠隔操作型の模型飛行機と大差ない代物だったドローンも、この数十年で着実な進化を遂げ、戦場の敵を上空から監視する非常に洗練されたツールへ変貌した。現在、多くの人は、ドローンという言葉から、A地点からB地点の上空を遠隔操作、あるいは自律航行する無人飛行機のことをイメージするだろう。ドローンのサイズと形はそれぞれだが、共通点もある、そのほとんどが通信リンク、情報ソフトウエア、センサーとカメラ、電力源を搭載し、多くの場合、プロペラを飛行手段としている。

ドローンテクノロジーが、軍事領域以外の他の公的部門で利用されるようになったのは自然の流れだった。この10年で、アメリカ連邦政府の研究機関は、天気や土地の状況を上空から監視するためにドローンを利用するようになり、すでに国土安全保障省は国境線の監視に、警察は探索・救援ミッションにドローンを利用している。そして市民たちは、休日の公園にドローンを持ち込んで楽しんでおり、その多くは自作のドローンだ。とはいえ、民間では市民のレジャーの一部として利用されているだけで、ドローンの商業利用は進んでいない。但し、「ごく最近までは」と付け加える必要がある。この数年で多くの民間企業がドローンを利用するようになったからだ。///

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