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イスラム国の全貌
―― なぜ対テロ戦略は通用しないか

オードリー・クルト・クローニン ジョージ・メイソン大学教授(国際安全保障プログラム)

Russia's Desperate Measure

Audrey Kurth Cronin ジョージ・メイソン大学教授(国際安全保障プログラム)。米議会調査局、米国防大学を経て現職。専門はテロリズム。著書に『How Terrorism Ends; Understanding the Decline and Demise of Terrorist Campaign』がある。

2015年3月号掲載論文

イスラム国はテロ集団の定義では説明できない存在だ。3万の兵士を擁し、イラクとシリアの双方で占領地域を手に入れ、かなりの軍事能力をもっている。コミュニケーションラインを管理し、インフラを建設し、資金調達源をもち、洗練された軍事活動を遂行できる。したがって、これまでの対テロ、対武装集団戦略はイスラム国には通用しない。イスラム国は伝統的な軍隊が主導する純然たる準軍事国家で、20世紀に欧米諸国が考案した中東の政治的国境を消し去り、イスラム世界における唯一の政治、宗教、軍事的権限をもつ主体として自らを位置づけようとしている。必要なのは対テロ戦略でも対武装集団戦略でもない。限定的軍事戦略と広範な外交戦略を組み合わせた「攻撃的な封じ込め戦略」をとる必要がある。

  • イスラム国はテロ集団ではない
  • アルカイダとイスラム国の違い
  • なぜ対テロ戦略は機能しないか
  • 資金調達とリクルート
  • 暴力と支配のジハード
  • 覆されたスンニ派覚醒運動
  • 軍事的選択肢
  • 攻撃的封じ込めを

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