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精神障害の経済・社会コストに目を向けよ
―― 見えないコストと偏見、放置される対策

トーマス・R・インセル  米国立精神衛生研究所 所長 パメラ・Y・コリンズ 米国立精神衛生研究所 部長 (グローバル・メンタルヘルス) スティーブン・E・ハイマン ハーバード&MIT「ブロード研究所」 所長

Darkness Invisible

Thomas R. Insel  アメリカの神経科学者(精神科医)。エモリー大学の行動神経科学センターの所長を経て、2002年から米国立精神衛生研究所(NIMH)所長。 Pamela Y. Collins  コロンビア大学准教授 (疫学・精神医学) を経て、現在は米国立精神衛生研究所ディレクター(グローバル・メンタルヘルス担当) Steven E. Hyman ハーバード&MITブロード研究所・精神医学研究センター・ディレクター

2015年2月号掲載論文

精神障害は直接・間接に世界経済に年間2兆5000億ドルのコストを強いている。2030年までに精神障害のコストは、心臓疾患、ガン、糖尿病、そして呼吸器系疾患が強いるコストの合計を上回る6兆ドルへと増大すると予測されている。だが、この迫りくる危機が適切に認識されていない。これは、富裕国では精神障害が個人や家族が直面する問題として狭義にとらえられ、低所得諸国や中所得諸国では先進諸国の病気とみなされているからだ。精神障害の問題をこのまま放置すれば、いかに大きな問題が作り出されるかを理解する必要があるし、「メンタルヘルスの改善がより健康な体を保つことにつながるという事実」に焦点を合わせた対策をとるべきだ。人々の精神障害への認識と議論をさまざまな角度から変えていく必要がある。

  • 精神障害の社会・経済コスト
  • 精神障害の実態
  • 十分な関心が払われない理由
  • 貧困国での精神障害対策
  • 途上国における精神医療アプローチ
  • 認識を変えるには

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