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ギリシャを搾取したオリガークたち
―― 改革なき緊縮財政の悲劇

パブロス・エレフセリアディス オックスフォード大学准教授

Misrule of the Few

Pavlos Eleftheriadis オックスフォード大学准教授。専門は法哲学、欧州連合など。

2014年12月号掲載論文

ギリシャは緊縮財政を実行し、経済再生を果たしつつあるかにみえる。しかし、ギリシャ経済は依然としてヨーロッパでもっとも閉鎖的で競争力に乏しく、大きな経済格差問題を抱えている。市民が緊縮財政のなかで困窮する一方で、政府は今も改革を先送りしている。依然として一握りの裕福な一族、オリガーク(少数の特権階級の支配者)たちがギリシャの政治を支配し、特権的立場を維持し、権力がもたらす恩恵を政治家たちと共有している。専門職団体と公的部門の労働組合という既得権益集団も存在する。極右・極左勢力が台頭しかねない社会・経済環境にあるというのに、それでもオリガークと既得権益層は、ギリシャだけでなく他のヨーロッパ諸国さえも犠牲にして、恩恵を手にし続けている。

  • 表向きの経済回復、変わらない社会構造
  • なぜ改革が進まないか
  • メディアとオリガーク
  • 二つの既得権益集団
  • 出口のない窮状と急進派の台頭

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