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CFR Meeting
証言 いかに冷戦は終結したか
―― ドイツ再統一とNATO加盟問題

ロバート・ブラックウィル/米外交問題評議会シニアフェロー
ビタリー・チュルキン/ロシア国連大使
フランク・エルベ /元ドイツ外務省政策企画部長

How Did the Cold War End?

Robert Blackwill 米外交問題評議会シニアフェロー(アメリカ外交担当)。 キッシンジャー国務長官の特別補佐官、中部欧州相互均衡兵力削減交渉の米首席代表などを経て、ジョージ・H・W・ブッシュ政権で大統領特別補佐官を務めた。駐インド米大使、ハーバード大学ケネディスクール副学院長などを経て現職。
Vitaly Churkin ロシア国連大使。ロシアのベルギー、カナダ大使などを経て、現職。冷戦末期にシュワルナゼ外相の特別補佐官、報道官を務めた。
Frank Elbe ドイツの外交官で、ドイツ外務省核軍縮部副ディレクター、政策企画部ディレクターなどを歴任した。冷戦末期にハンス・ゲンシャー外相の首席補佐官を務めた。

2014年12月号掲載論文

「ゴルバチョフとシュワルナゼは、経済的にも社会的にもソビエトが深刻な状態に陥っていることを理解していた。・・・ソビエトの指導者たちは、アメリカを中心とする欧米との新しい関係が、ソビエトの経済問題を解決する助けになると考えていた」。(フランク・エルベ)

「あまりに性急に交渉を進めれば、ソビエト市民がまだ事態を受け入れる準備ができていないために、ドイツ再統一も見果てぬ夢に終わる。交渉を過度に緩慢なものにすれば、ゴルバチョフに敵対する勢力が連帯し、この場合も統一は実現しない。これがシュワルナゼの立場だった」。(ロバート・ブラックウィル)

「ゴルバチョフは、自分自身が批判的な体制を維持したいとは考えていなかったし、ある意味では自分が政治的に生き残りたいとは考えていなかった。だから、(東ヨーロッパへの軍事介入を選ばず)状況を流れに委ねることを選んだ」。(ビタリー・チェルキン)

当時、ドイツ人の多くは「NATO加盟にこだわれば、再統一は実現しない」と考えていた。他に再統一を果たす道筋がなかったために、中立国家になるしかないと感じていた。 だが、12月12日にベルリンで演説したベーカー国務長官は「統一を果たしたドイツがNATOに加盟することを条件に、ワシントンはドイツ再統一を支援する」と表明した。これによって、西ドイツ政府は非常に苦しい立場に追い込まれた。統一とNATO加盟を両立させる方法はないと感じていたからだ。 (フランク・エルベ)

  • なぜ冷戦は終結したか
  • ブッシュ大統領の外交手腕
  • 東ヨーロッパへのゴルバチョフの態度
  • ドイツ再統一とNATO加盟
  • 優れた政治家と歴史の流れ

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