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イスラム国の戦略
―― ハイジャックされたアルカイダの
イスラム国家構想

ウィリアム・マッカンツ ブルッキングス研究所フェロー

State of Confusion―― ISIS's Strategy and How to counter it

William McCants   ブルッキングス研究所フェローで、研究プロジェクト「アメリカとイスラム世界」のディレクター。 米国務省のシニアアドバイザー、国防総省のミネルバイニシアティブのプログラムマネージャーなどを経て現職。専門は中東のテロリズム。著書にFounding Gods, Inventing Nations: Conquest and Culture Myths from Antiquity to Islamがある。

2014年10月号掲載論文

イスラム国家の樹立構想を考案したのは、現実にイラク・イスラム国の樹立を表明した「イラクのアルカイダ(AQI)」ではなく、アルカイダのアイマン・ザワヒリだった。ザルカウィが死亡した後にAQIの指導者となったアブ・アイユーブ・マスリはAQIを解体し、現在のイスラム国の指導者とされるアブ・オマル・バグダディを「信仰指導者(アミール・ウル・モミニン)」として仰ぎ、その忠誠を誓った。・・・2013年、イスラム国はシリアとイラクの双方で権力を確立したと表明する。ザワヒリはイスラム国に対して、「主張を取り下げて、シリアを去り、イラクに帰るように」と求めたが、イスラム国の指導者はこれを相手にしなかった。・・・イスラム国家を樹立するというザワヒリの強烈なアイディアは彼の手を離れて自律的な流れを作り出し、アルカイダを解体へと向かわせ、いまやイスラム国がグローバルなジハード主義の指導組織の地位を奪いつつある。

  • イスラム国を取り巻く曖昧さ
  • アルカイダとイラク・イスラム国
  • アルカイダとイラク・イスラム国の関係
  • アルカイダからイスラム国へ

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