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ネットプライバシーと「忘れられる権利」

ヘンリー・ファーレル  ジョージ・ワシントン大学政治学准教授
アブラハム・ニューマン  ジョージタウン大学政治学准教授

Forget Me Not ―― What the EU's New Internet Privacy Ruling Means for the United States

Henry Farrel ジョージ・ワシントン大学准教授(政治学、国際関係論)。様々な国籍の研究者が参加する政治ブログ「Crooked Timber」の執筆者の一人で、その記事はクリスチャン・サイエンス・モニター紙、ワシントン・タイムズ紙、ナショナル・ジャーナル誌などのマスメディアで取り上げられている。専門は、EUとヨーロッパ統合、政治とブログ、電子商取引。アブラハム・ニューマンと共著で、国土安全保障の国際化をテーマとする本を執筆中。
Abraham Newman ジョージタウン大学准教授。専門は国際政治経済学。著書にProtectors of Privacy ―― Regulating Personal Data in the Global Economy(Cornell University Press, 2008)などがある。両氏はフォーリン・アフェアーズ・リポート2013年8月号で「NSAの無節操なスパイ活動―― 安全保障とプライバシー保護の間」を発表している。

2014年7月号掲載論文

2014年5月、欧州司法裁判所は、あるスペイン人の名前を入力すると示される検索結果を削除するようにグーグルに命令した。こうして、(欧州司法裁判所は、「忘れられる権利」、例えば、かつての負債や不適切な写真といった特定の情報について、市民がグーグルを含むインターネット企業に対して公共空間からの削除を求める権利を尊重することを義務づけた。これによって、プライバシー保護を求めるヨーロッパの流れは今後さらに大きくなり、必然的に、「蓄積された膨大な個人データを利用して、広告や消費者行動分析に利用しているアメリカのeコマース企業のビジネスモデルそのものが問題視されるだろう。今後、ヨーロッパの主要市場で、米企業がこれまでのような行動をとることは次第に難しくなっていく。当然、米企業はヨーロッパの立場に歩み寄る必要があるし、今後、デジタル時代におけるプライバシー論争は二つの競合するビジョンによって規定されるようになるだろう。

  • 「忘れられる権利」
  • プライバシーとデータ
  • 妥当なバランスは存在するのか

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