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シェールガス資源が塗り替える世界の地政学地図

アビエザー・タッカー テキサス大学オースチン校
エネルギー研究所アシスタントディレクター

The New Power Map

Aviezer Tucker 政治学者で、現在はテキサス大学オースチン校 エネルギー研究所アシスタントディレクター。東ヨーロッパ、中央ヨーロッパのエネルギー政策を専門とし、エネルギー問題を地政学的視点で分析するスタイルをとっている。

2013年2月号掲載論文

非在来型(シェールガス)資源の発見によって世界のエネルギー供給は大きく拡大し、近い将来に、供給が需要を上回るようになる。どうみても、世界のエネルギー価格は今後低下していく。すでに、アメリカの天然ガス価格は、2008年当時と比べて4分の1へと低下し、これが世界的な波及効果を持ち始めている。新技術が可能にしたシェールガス資源の開発によって、いまや経済・貿易領域での国家間の力関係も、エネルギーをめぐる地政学も変化の時を迎えている。これまでよりもはるかに安いエネルギー価格で規定される新しい世界では、石油や天然ガス資源が地政学秩序に与える影響も低下していく。すでにエネルギー供給国・ロシアと消費地域であるヨーロッパの関係は変化しつつあり、ロシアと中国の関係も今後変化していくだろう。この地政学環境の変化によって、資源の富に依存してきた独裁者の命運もいずれ尽きることになるかもしれない。

  • 変化する地政学秩序 
  • シェールガス革命がもたらした変化
  • 追い込まれたロシアの資源産業
  • ガスプロムの運命
  • ロシア・中国コネクション?
  • シェールガスに対するロシアの立場
  • エネルギーグラット=独裁体制の黄昏

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