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ウクライナ後の欧州連合

キャサリン・マクナマラ ジョージタウン大学准教授(政治学)

The EU After Ukraine ――European Foreign Policy in the New Europe

Kathleen R. McNamara ジョージタウン大学准教授(政治学)。専門は国際経済関係の政治学。主にヨーロッパを対象に研究をしている。

2014年4月号掲載論文

そもそもウクライナで抗議運動が広がったのは、EUとのさらなる統合に人々が魅力を感じていたにも関わらず、ヤヌコビッチがヨーロッパとの関係を断ち切ったからだ。そのウクライナのために行動しないとすれば、EUは一体どこで積極策に出るのか。多くの人は現状を不可解に感じている。だがこれには訳がある。一つは、ヨーロッパが伝統的な地政学ではなく「人間の安全保障」を重視しているためだ。軍事的対応を重視していないし、しかもEUは内に分裂を抱えている。ポーランドとリトアニアがロシアに対する強硬策を求めているのに対して、ロシアからの天然ガスの最大の輸入国である独仏は慎重な態度を崩していない。EUがいかなる対応策をとるとしても、それは目につきにくく、アメリカやイギリスの専門家に冷笑されるような路線になるのは避けられない。しかし、対決しないことと影響力がないことを同列にみなすのは間違っている。・・・

  • 姿の見えないヨーロッパ
  • EU外交の本質
  • 軍事的無力さ

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