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CFR Update
衝突する日韓の自画像
―― 未来志向の日韓共同宣言を

スコット・スナイダー
米外交問題評議会シニアフェロー(朝鮮半島担当)

Overcoming the Japan-South Korea Historical Identity Complex

Scott A. Snyder 米外交問題評議会シニアフェロー(朝鮮半島担当)。スタンフォード大学アジア太平洋研究センター客員研究員、アジア財団シニアアソシエイト、米韓政策センターディレクター、パシフィック・フォーラム(CSIS)シニアアソシエイト、米平和研究所アジア担当研究員などを経て現職。専門は朝鮮半島の安全保障、北東アジアの外交政策。「韓国の日本に対する 『小さなこだわり』と『大きなビジョン』――グローバルコリアはどこへ行った」(フォーリン・アフェアーズ・リポート2012年9月号掲載)、「米韓関係の強化と北朝鮮問題」(同2011年10月号掲載)などを発表している。

2014年3月号掲載論文

この60年で韓国は近代化と民主化を見事に実現したが、20世紀初頭の40年間にわたって堪え忍ばざるを得なかった日本による植民地支配の記憶が、韓国の国家アイデンティティの中枢にいまも位置づけられている。この歴史的経験ゆえに、韓国のアイデンティティは反日という枠組みで長く規定されてきた。日本も被害者意識をもっている。第二次世界大戦における敗戦と原爆投下、そして(東京裁判に象徴される)戦時の行動に関する戦後の解釈をめぐって差別されてきたと考えている。こうした自画像が日本人のアイデンティティを複雑にし、侵略者として自らを認識できずにいる。・・・二つの自画像が重なり合うことで政治が動き、その相互作用によって自らが好む歴史解釈が強化され、領土問題への対応は硬直化していく。・・・この状況で欠落しているのは両国の政治家のリーダーシップに他ならない。

  • 安重根と伊藤博文 
  • 衝突する自画像
  • 政治家のリーダーシップ
  • 未来志向の共同宣言を

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