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イスラエルがイラン強硬策を放棄しない理由
―― 外交交渉と空爆オプションの効果とリスク

ドミトリ・アダムスキー
IDCヘルツリーヤ・政治外交大学院准教授

Maximum Deterrence
― Israel's Tightrope Walk

Dmitry Adamsky  IDC(イスラエル学術センター)ヘルツリーヤ・政治外交大学院准教授。ハーバード大学博士研究員、コロンビア大学客員研究員、ノルウェー防衛研究所客員研究員を経て現職。専門はイスラエルの安全保障政策。イスラエル国防省のインテリジェンス分析と戦略的政策立案を担当した経験もある。

2014年3月号掲載論文

「イランは、現在の外交プロセスを核兵器の野望を覆い隠すために利用している。テヘランは最低限の妥協で、最大限の制裁緩和を引き出すことに成功した」。これが欧米とイランが交わした暫定合意に対するイスラエルの見方だ。さらにエルサレムは、欧米の経済制裁だけでなく、空爆を示唆するイスラエルの強硬策も、暫定合意に貢献しているとみている。今後の包括合意についても、「それに応じた方がましだとイランが考えるような状況を作り出す必要がある」とイスラエルは考えている。外交交渉で結果を出すには、一方で、イスラエルによる空爆リスクがあることをテヘランに常に意識させなければならない、と。だが空爆リスクを過度に強く意識させると、「合意に応じた方がましだ」と考えるのではなく、「どのみち攻撃してくるのだから、もはや何も失うものはない」と考え、むしろイランを先制攻撃へと走らせかねない。適切な抑止と過剰抑止のバランスを見極める必要がある。・・・

  • イスラエルの立場 
  • 経済制裁と強硬策の組み合わせ 
  • 抑止のティッピングポイントとは 
  • 過剰抑止の危険な先例 

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