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イラン攻撃論の再浮上という迷走

ジョージ・パーコビッチ カーネギー国際平和財団副会長(研究担当)

No Endgame in Sight

George Perkovich カーネギー国際平和財団副会長(研究担当)。1989年―1990年まで、ジョー・バイデン上院議員(当時)のスピーチライターおよび対外政策アドバイザーを務めた。フォーリン・アフェアーズ誌に、「ブッシュ政権の危険な核不拡散政策」(フォーリン・アフェアーズ日本語版2003年4月号)、「北朝鮮、イラン、インドと核拡散の行方を考える」(2007年8月号掲載)を発表している。

2014年2月号掲載論文

米上院のタカ派集団が、イランにウラン濃縮の能力や施設を維持することを認めるようないかなる最終合意も認めないという内容の法案(イラン非核法案)を提出したことをきっかけに、軍事攻撃論が再浮上している。だが、軍事攻撃を含む、いかなる手段を通じても、イランのウラン濃縮を完全に止めさせるのは不可能だ。むしろ、イスラエルがイランに対する軍事攻撃を実施すれば、イスラエルの国際的正統性は地に落ち、イスラエルの核解体を求める圧力が大きくなるだけでなく、対イラン経済制裁への国際的支持は解体していく。交渉の最終目的はイランのウラン濃縮を完全に止めさせることではない。短期間で核兵器を生産できる能力をイランに与えないようにその能力を枠にはめることだ。オバマ政権の戦略が、イスラエルやうまく考案されていない米議会の冒険主義で損なわれるのを放置すべきではない。

  • 再浮上した上院の対イラン強硬論
  • 不毛な軍事攻撃論
  • 交渉の最終目的は何か

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