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Foreign Affairs Update
イランとの論争は続く
―― NPTとウラン濃縮の権利

ゲリー・セイモア
前ホワイトハウス調整官
(軍縮・大量破壊兵器担当)

Nuclear Rights and Wrongs

Gary Samore米外交問題評議会研究部長、ホワイトハウス調整官(軍縮・大量破壊兵器担当)を経て、現在は、ハーバード大学大学院ケネディスクール科学・国際問題ベルファセンター・エグゼクティブディレクター(研究担当)。

2014年1月号掲載論文

核開発交渉の中核テーマは、これまでも、そしてこれからも、「イランがウランを濃縮する権利をもっているかどうか」だ。イランは、「IAEAの保障措置を受け入れる限り、核不拡散条約(NPT)加盟国が平和目的(つまり、原子炉の核燃料生産や医療用アイソトープ生産)のためにウラン濃縮を行うことは認められている」と解釈している。一方、アメリカ、フランス、イギリスは、条約は原子力エネルギーの「平和的な利用」を認めているだけで、「それがどのような権利を内包するかは明示していない」と主張してきた。要するに、ウラン濃縮によって原子炉を動かす核燃料や医療用アイソトープだけでなく、兵器級ウランの生産に道が開かれることが問題なのだ。P5+1(アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスとドイツ)は、依然として「イランは核兵器開発に向けたオプションを作り出そうとしている」とみている。今後想定しておくべきシナリオは二つある。イランが合意を破棄して、唐突に核兵器生産を公言するブレイクアウトシナリオ、そして、水面下で核兵器生産を試みるスニークアウトシナリオだ。

  • 「濃縮する権利」をめぐる論争
  • イランの核問題と安保理決議
  • ブレイクアウトとスニークアウトシナリオ
  • 暫定合意と最終合意

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