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アサド勝利後のシリア
――戦後シリアの荒涼たる現実とは

アンドリュー・タブラー
ワシントン近東政策研究所シニアフェロー

The Day After Assad Wins

Andrew J. Tabler ワシントン近東政策研究所シニアフェロー。14年間中東で暮らし、国際救済グループの米シリア関係コンサルタント(2008年)を務めた。専門はシリアとレバント地域におけるアメリカの政策。フォーリン・アフェアーズ誌に「シリアの崩壊を食い止めるには ―― 交渉実現のための部分的軍事介入を」(フォーリン・アフェアーズ・リポート2013年8月号掲載)を発表している。

2013年10月号掲載論文

戦闘で敗れ去るのをアサドが回避できる可能性は高まっており、はっきりとした勝利をいずれ手にするかもしれない。もちろん、アサドが権力を維持できるとしても、彼が内戦前のような国家レベルでの統治を再確立することはなく、テロ集団を含む反政府勢力は、シリアの一部を今後も掌握し続けるだろう。アサドは(シーア派の)イラン、ヒズボラとの関係をさらに強め、一方、中東のスンニ派諸国は、反政府武装勢力による抵抗を今後も支え続けるはずだ。だが、アサドが全面的な内戦を展開し、化学兵器を民間人に対して使用したことが、民衆の支持をとりつける上で今後も大きな障害となる。内戦を経たシリア政府は、戦争前に存在した残忍ながらも安定した政府以上に、抑圧的で法を顧みなくなるだろう。シリアは今後長期的に不安定化し、人道に対する残酷な犯罪が繰り返される場所になるだろう。

  • 追い込まれた反体制派とアサドの勝利?
  • 内戦後の現実
  • 国際的余波

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