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EU脱退という愚かで危険な火遊び
―― キャメロン英首相の危険なゲーム

マティアス・マタイス
ジョンズ・ホプキンス・ポール・ニッツスクール准教授(国際政治経済学)

David Cameron's Dangerous Game
―― The Folly of Flirting With an EU Exit

Matthias Matthijs ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院准教授(国際政治経済学)。フォーリン・アフェアーズに「ヨーロッパの新しいドイツ問題 ――指導国なきヨーロッパ経済の苦悩」(マーク・ブリスと共著、フォーリン・アフェアーズ・リポート2011年12月号掲載)を寄稿している。

2013年10月号掲載論文

キャメロン首相は2013年1月、イギリスの欧州連合(EU)との関係を規定する条約内容を再交渉し、2017年末に国民投票を実施してEUへの残留か離脱かを決定すると発表した。イギリスのEU懐疑論は、国家主権という時代遅れの概念にしがみつく英保守党内グループの、ブリュッセルに対する理屈抜きの嫌悪感に根ざしている。合理的な政治的・経済的計算をすればロンドンがEUとの関係を絶つというシナリオが出てくるはずはない。キャメロンは、時代遅れの孤立した国への軌道にイギリスを載せようとしている。イギリスがヨーロッパと関係を絶つ可能性、つまり真のパワーを捨てて国家主権という幻想を選ぶ悲劇的な過ちを犯す可能性は、いまやかなり現実味を帯びてきている。

  • キャメロンの誤算
  • イギリスとヨーロッパの愛のない結婚
  • EUにとどまるべき理由
  • 悲劇的な過ち

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