flavijus/iStock.com

イランは対話・交渉路線を模索する
―― 最高指導者ハメネイの思想

アクバル・ガンジ
ジャーナリスト

Who Is Ali Khamenei?―― The Worldview of Iran's Supreme Leader

Akbar Ganji イラン人反体制派ジャーナリスト。2000年から2006年までテヘランで投獄された経験を持ち、彼の著作は現在イラン国内では発禁処分とされている。

2013年10月号掲載論文

イランの最高指導者、アヤトラ・ハメネイは聖職者としては、一風変わった過去を持っている。青年期に世俗派の反体制指導者たちと交流し、イスラム革命前に彼らの思想を吸収しているだけでなく、西洋の文学を耽読する文学青年でもあった。レフ・トルストイやミハイル・ショーロホフの作品を絶賛し、バルザックやゼバコの小説を愛読した。なかでもビクトル・ユーゴの『レ・ミゼラブル』が大のお気に入りだった。ムスリム同胞団の思想的指導者サイイド・クトゥブの著作からもっとも大きな影響を受けているとはいえ、ハメネイは、科学と進歩は「西洋文明の真理」であり、イランの民衆にもこの真理を学んで欲しいと考えている。彼はクレージーでも、支離滅裂でも、攻撃のチャンスを模索する狂信者でもない。核兵器の開発も望んでいない。ハメネイは「核兵器は人類に対する罪であり、生産すべきではないし、すでに存在する兵器は解体すべきだ」と考えている。ハメネイは欧米はイランの体制変革を狙っていると確信し、欧米への根深い猜疑心を持っているが、その思想にも変化がみられる。・・・・

  • ハメネイの思想的ルーツ 
  • 文学を愛する思想家としての横顔 
  • S・クトゥブの影響 
  • イスラム革命以降 
  • アメリカの体制変革路線 
  • 核開発問題とハメネイの立場 
  • イスラムの聖域とキリスト教への配慮 
  • 欧米資本主義の衰退 
  • アメリカとの交渉について 
  • イランは核兵器を作らない 
  • 和解への道

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2013 by the Council on Foreign Relations, Inc.,and Foreign Affairs, Japan

Page Top