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CFR Interview
TPPをどうとらえるか
―― 貿易交渉か経済統合の試みか

ミレヤ・ソリス
ブルッキングス研究所
北東アジア政策研究センター シニアフェロー

Japan Boosts the Trans-Pacific Partnership

Mireya Solis ブルッキングス研究所北東アジア政策研究センターのシニアフェロー。日本研究が専門。アメリカン大学准教授。

2013年9月号掲載論文

TPPの際だった特色は非常に野心的なハイレベルの目的を掲げ、知的所有権、労働基準、環境問題など(貿易領域を超えた)あらゆるものを交渉テーブルに載せると表明していることだ。こうした「WTOプラスアジェンダ」が取り上げられているのは、WTO(世界貿易機関)の交渉ラウンドが事実上停止していることの裏返しに他ならない。ウルグアイラウンドで貿易と投資ルールの見直しが前回行われてからすでに20年近くが経過している。当然、WTOで定義されている以上のルールが必要になっている。・・・TPPを貿易交渉ととらえるか、経済統合の試みととらえるかが人によって違ってくるのはこのためだ。私は、TPPは経済統合へと向かっていると感じている。なぜ貿易以外のルールが議論されているかは、それが経済統合の試みととらえられているためだ。・・・これまでは、日本が交渉に参加するには、一連の条件を満たす必要があるとアメリカが一方的に要求を突きつける立場だった。しかし今後、日本はアメリカ市場の障壁を特定して、これを問題として指摘することになるだろう。事態がどのように展開し、どのようなギブアンドテイクが試みられることになるのか非常に興味深い。

  • TPP交渉は簡単には決着しない
  • ドーハラウンドの休止と進化する貿易合意
  • 中国とTPP
  • 日本の交渉参加で勢いづくTPP

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