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模倣せよ、本物を造れるまで
―― 中国経済のイノベーションとイミテーション

カル・ラウスティアラ/カリフォルニア大学ロサンゼルス校 国際関係センター所長
クリストファー・スプリグマン/バージニア大学法科大学院特任教授

Fake It Till You Make It

Kal Raustialaカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)バークル国際関係センター所長、UCLAロースクール教授。
Christopher Sprigmanバージニア大学ロースクール特任教授。二人のの共著、The Knockoff Economy: How Imitation Sparks Innovationが昨年刊行されている。

2013年8月号掲載論文

知的所有権、著作権の侵害行為には破壊的な側面もあるが、生産的な側面もある。中国政府が模倣活動に目をつぶり、ときにそれを奨励しているとしても、欧米企業が直ちに大きなダメージを被ることはない。中国ではまだほとんどの人々が貧しく、欧米製品を買えるのは一握りの富裕層に過ぎないため、コピー商品が必ずしも欧米企業の売り上げを低下させるとは限らないからだ。それどころか、コピー商品は、オリジナル製品の効果的な前宣伝になることが多い。かつてのアメリカも模倣経済国家だったことを思い出すべきだ。ベンジャミン・フランクリンはイギリスの作家の本を許可もなくアメリカで出版し、これに対してチャールズ・ディケンズは、多くのイギリス人作家の感情を代弁して、「アメリカ人が私の本で莫大な利益を上げても、そこから6ペンスも得られないというこの上ない正義」と皮肉ったものだ。だが、アメリカで海賊版が幅広く流通したことが彼の社会的認知度を高め、後にディケンズはアメリカで一財産を築くことになる。中国の模倣活動をうまく管理し、そのマイナス面とプラス面の双方をバランスよくとらえるべきだろう。

  • 模倣にはプラス面もある
  • 「本物の偽物だ」
  • コピー商品には欧米企業の宣伝効果がある
  • 模倣経済国家としてのアメリカと中国

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