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シリア政府は本当に化学兵器を使用したのか
―― 反体制派軍事支援と和平会議の行方

グレゴリー・D・コブレンツ
米外交問題評議会フェロー

The Chemical Weapon Test in Syria

Gregory D. Koblentz 米外交問題評議会スタントン・ニュクリアーセキュリティ・フェロー。ジョージメイソン大学准教授。専門は米国家安全保障、大量破壊兵器テロなど。著書にLiving Weapons― Biological Warfare and International Security (Cornell University Press, 2009)がある。

2013年7月号掲載論文

ワシントンは「シリアのアサド政権はサリンを国内で(複数回)使用している」との情報機関がまとめた分析結果を前提に、シリアの反体制派に軍事支援を行うと6月中旬に表明した。この情報分析は、シリアから持ち出された(犠牲者の血液、尿、毛髪などの)「生理学的サンプル」を分析してサリンによる攻撃があったと判断している。だが国連は「データ(サンプル)がどのように収集されたか、そのプロセスを示す説得力のあるエビデンスが存在しない以上、情報の有効性は損なわれる」とみている。この分析でもっとも奇妙なのは、攻撃の規模(と犠牲者)が100―150人と非常に小さいことだ。・・・化学兵器を使用して米政府のレッドラインを超えることのリスクをあえて冒してまで、化学兵器をかくも限定的な方法で使用することの戦略的利益をシリア政府がどう判断したのか、判然としない。・・・いまや和平会議が実施される見込みは大きく後退している。

  • シリアでのサリン使用をどのように判断したか 
  • 情報分析に対する疑問と懸念
  • 今後の展開

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