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ビッグデータの台頭

ケネス・クキエル
ビクター・メイヤー=ションバーガー
エコノミスト誌データ・エディター
オックスフォード・インターネット研究所教授

The Rise of Big Data
―― How It's Changing the Way We Think About the World

Kenneth Cukier エコノミスト誌データ担当エディター。
Viktor Mayer-Schoenberger オックスフォード大学付属オックスフォード・インターネット研究所教授、専門はインターネット統治と規制。

2013年6月号 掲載論文

歴史のほとんどの時期を通じて、われわれは比較的限られたデータを前提にものを考えてきた。そのような時代に重視されたのがサンプリングだ。ランダムに抽出されている限り、選挙の出口調査のように、サンプリングで全体を推し量ることができた。だがビッグデータの台頭によって、かつては量的に計測できなかった世界をデータ化できるようになった。これによってわかるのは、なぜ現象が起きているかの因果関係ではなく、あくまで相関関係だ。例えば、カナダの医療チームは、未熟児の心臓の鼓動、血圧、呼吸、血中酸素のレベルを含む16の重要な兆候をデータ化し、病気の発症を予見することに成功している。誰が法に触れる行為を行いそうなのか、どのビルで火災が起きそうなのかも、ビッグデータで量的に計測されつつある。ビッグデータは政府の機能、そして政治の本質も変化させることになるかもしれない。だが、それが社会を監視する政府の力を強め、ビッグデータ権威主義を出現させる恐れもある。・・・

  • ビッグデータとは何か
  • サンプリングからビッグデータへ
  • 因果関係から相関関係へ
  • データフィケーションのポテンシャル
  • ビッグデータと政府サービス
  • ビッグデータと管理社会出現の危機
  • 人間の英知にまさるものなし

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